ガス代が高いと感じたら、まず「都市ガスかプロパンか」を確かめる

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この記事で分かること

  • 自宅のガスが都市ガスかプロパンかを見分ける方法と、料金差の理由
  • プロパンガスの料金が家ごとに違う仕組みと、2024年の法改正で何が変わったか
  • 契約を変えずに効く使い方の工夫と、そのおおよその削減幅

ガス代は「使い方」より先に「契約の種類」で決まる

シャワーを1分短くする。追い焚きを減らす。どれも効果はある。ただ、それを毎日積み重ねて月に数百円というのが現実だ。

一方で、同じ家族構成・同じ使い方でも、ガス代が月5,000円の家と12,000円の家がある。この差は努力量ではなく、契約しているガスの種類と、契約先の会社で生まれている。

だから順序としては、使い方の工夫より先に契約を確かめたほうがいい。確認そのものは5分で終わる。

自宅が都市ガスかプロパンかを見分ける

一番早いのは、検針票(ガスご使用量のお知らせ)を見ることだ。会社名が東京ガス・大阪ガス・東邦ガス・西部ガスといった大手なら都市ガス。聞いたことのない地域の会社名なら、プロパンガス(LPガス)の可能性が高い。

検針票が見当たらないなら、次の3つで判断できる。

確認する場所 都市ガス プロパンガス
家の外 ガスボンベがない 銀色のボンベが2本置いてある
ガスメーター周辺の表示 「13A」「12A」などの表記 「LPG」「プロパン」の表記
使用量の単位 ㎥(立方メートル) ㎥(同じだが単価が高い)

集合住宅なら、ボンベが敷地の隅にまとめて置かれていることもある。ベランダから下を覗いてみるとわかりやすい。

プロパンは都市ガスより高い。ただし単純に「2倍」ではない

プロパンガスは都市ガスより高い、とよく言われる。これは事実だが、理由を誤解している人が多い。

発熱量が違う。 都市ガスは1㎥あたりおよそ45MJ、プロパンはおよそ99MJで、プロパンのほうが倍以上の熱量を持つ。つまり同じお湯を沸かすのに必要な㎥数が半分以下で済む。だから単価が2倍でも、使用量が半分なら支払額は同じになる理屈だ。

にもかかわらず実際の請求額に差が出るのは、プロパンの単価が熱量の差以上に高く設定されているからである。地域や会社によって幅はあるが、同じ生活をしていて月1.5倍前後になるケースが多い。

プロパンの料金が家ごとに違う理由

都市ガスもプロパンも、いまは料金が自由化されている。都市ガスは2017年4月に小売が全面自由化された。プロパンはもともと自由料金で、公共料金ではない。

問題はここからだ。プロパンには長く、次のような商慣行があった。

  • 大家や建設会社が、給湯器やエアコンをガス会社に無償で設置させる
  • ガス会社はその費用を、入居者が毎月払うガス料金に上乗せして回収する
  • 入居者は自分の料金に何が乗っているか知らされない

結果として、同じ地域・同じ使用量でも、物件によって単価が大きく違うという状態が生まれていた。

2024年の液化石油ガス法の省令改正で、この構造に規制が入った。 大きくは2点で、給湯器などの設備費用をガス料金に上乗せする「無償貸与」が原則禁止されたことと、料金の内訳を基本料金・従量料金・設備費用に分けて示すことが求められるようになったことだ。

つまり、これから検針票を見れば「何にいくら払っているか」がわかるようになる。まだ切り替えていない人ほど、いまの請求内訳を一度確認する価値がある。

プロパンで料金を下げる2つの方法

① 持ち家なら会社を切り替えられる

持ち家であれば、ガス会社は自分の判断で変えられる。地域に複数の販売店があるはずなので、相見積もりを取る。単価だけでなく、「値上げをしない期間」が契約書に明記されるかを必ず確認する。

安い単価で契約させておいて、半年後に段階的に値上げする、いわゆる「不当な値上げ」は昔から起きている。書面に残るかどうかで防げる部分は大きい。

② 賃貸なら大家に相談するしかない

賃貸の場合、ガス会社を選ぶ権利は入居者ではなく物件のオーナーにある。入居者が勝手に切り替えることはできない。

現実的な選択肢は、管理会社経由で「近隣より単価が高いようなので確認してほしい」と伝えることだ。効果は期待しすぎないほうがいいが、法改正で設備費用の透明化が求められている今は、以前より話が通りやすい。

引っ越しを検討している段階なら、内見のときにガスの種類を必ず聞く。 家賃が2,000円安くてもプロパンなら差し引きゼロ、ということが普通に起きる。物件選びの条件に入れておくべき項目だ。

都市ガスは電気とのセット割で下がることが多い

都市ガスの場合、契約先を変える効果は数百円〜千円台にとどまることが多い。ただし電気とまとめると、割引率が上がる。

電力会社がガスもセットで提供する、あるいはガス会社が電気も提供する形で、両方まとめると月数百円〜1,000円程度安くなるプランが各社にある。手続きは1回で済むので、電気の見直しをするならガスも同時にやってしまうほうが効率がいい。電気側の考え方は電気代の節約は「契約」からにまとめてある。

契約を変えずに効く使い方

契約の見直しが終わったら、あるいは賃貸で変えられないなら、使い方で削る。ガスの用途は家庭ではほとんどが給湯なので、お湯に絞るのが効率的だ。

やること 月の削減目安 手間
給湯器の設定温度を40℃前後に下げる 200〜400円 一度だけ
追い焚きを減らす(間隔を空けずに入浴する) 300〜600円 生活の調整
風呂のふたをこまめに閉める 100〜300円 ほぼゼロ
シャワーを節水ヘッドに替える 300〜800円 初期費用3,000円前後
食器洗いを低温にする・ため洗いにする 100〜300円 習慣

設定温度は見落とされやすい。冬に42℃、45℃のまま夏を越している家は珍しくない。季節の変わり目に一度確認するだけで効く。

節水シャワーヘッドは初期費用がかかるが、水道代にも同時に効くので回収は早い。ただし水圧が落ちて不満が出る製品もあるので、返品条件を見てから買ったほうがいい。

ガス代の見直しでよくある質問

Q. プロパンから都市ガスに変えることはできますか?

A. 自宅の前に都市ガスの導管が通っていれば可能ですが、引き込み工事に10万〜20万円程度かかるのが一般的です。長く住む持ち家なら回収できる可能性がありますが、賃貸では現実的ではありません。まずは同じプロパン内で会社を比較するほうが早いです。

Q. ガス会社を変えると工事が必要ですか?

A. プロパンの場合、ボンベと調整器の交換だけで、宅内の配管工事は通常ありません。作業時間は1時間程度で、費用は新しい会社が負担することがほとんどです。都市ガスの切り替えは、メーターもそのままで工事自体が不要です。

Q. 切り替えたあとにガスが止まるリスクはありませんか?

A. 切り替え日には一時的に供給が止まりますが、その日のうちに復旧します。都市ガスの会社変更は導管が共通なので、供給そのものが途切れることはありません。

Q. 検針票が電子化されていて手元にありません。

A. 各社のマイページやアプリから過去の使用量と請求額を確認できます。比較するときは、直近1か月ではなく12か月分を見てください。ガス代は冬に跳ね上がるため、1か月だけでは判断を誤ります。

Q. 一人暮らしでもガス会社を変える意味はありますか?

A. プロパンで持ち家なら意味があります。使用量が少なくても基本料金の差が毎月効くためです。賃貸なら変更権がないので、使い方の工夫と、次の引っ越し時に都市ガス物件を選ぶことが現実的な対策になります。

Q. ガスの使用量が急に増えました。原因は何が考えられますか?

A. 給湯器の設定温度が上がっている、追い焚きの回数が増えた、季節の変化で水温が下がった、のいずれかが大半です。水温は冬に大きく下がるため、同じ湯量でも必要な熱量が増えます。前年同月の使用量と比べてください。それでも説明がつかない場合は、配管の漏れも疑い、ガス会社に点検を依頼してください。

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